長崎県指定文化財(無形文化財・工芸技術)
三川内焼細工技術
(技術保持者 今村均)
令和三年二月十八日指定
平戸藩の御用窯(三川内皿山)で培われた「三川内焼細工技術」は、江戸時代後期から明治期にかけて、高度に発展した三川内焼の伝統的な装飾技法の一つである。
この細工技術のうち、「捻り細工」は、今村 均氏が得意とする技術であり、磁土を材料として、手捻りや透かし彫り、ろくろ等の高度な技術を駆使し、龍やコオロギ、虫かご、菊などのモチーフを磁器の細工物として、立体的かつ緻密に作りあげるものである。本来、磁土は細かな細工を行うことに不向きな材料であるが、卓越した技術により、繊細な細工物を作ることが可能となる。
熊本県天草の上田家に伝わる『近国焼物大概帳(きんこくやきものだいがいちょう)』(一七九六年)には、三川内皿山について「南京焼(なんきんやき)(磁器)」の極上品が出来、平戸藩の御道具焼物師が文鎮や型で作るものなど、極上品が出来ている」と記されている。
磁器で極上品と評価されていた産地は、三川内皿山と有田皿山のみであることから、他藩からも三川内焼の磁器製作技術の高さが認識されていた。
このように現在でも精巧に作られる「三川内焼細工技術」は、三川内皿山が平戸藩の御用窯であったことを現在に伝える貴重な工芸技術である。
令和五年一月三十一日 佐世保市教育委員会


