佐世保市指定文化財(無形文化財・工芸技術)
三川内焼置上技術
【技術保持者 今村 隆光】
令和三年四月二十二目指定
平戸藩の御用窯(三川内皿山)で培われた「三川内焼置上技術」は、江戸時代後期から明治時代にかけて、高度に発展した三川内焼の伝統的な装飾技法の一つである。
この技術は、素焼き前の器(生地)の上に、磁土を含ませた筆で何度も何度も塗り重ねて、文様を立体的に見せる技術であり、高度な技術と共に磁土に対する知識及び忍耐が必要となる。
三川内焼の置上技術でよく用いられる文様の「丹頂」は、羽が一枚一枚丹念に描かれ、今にも動き出すかのような躍動感が生み出される。
三川内焼の御用窯の陶工は、平戸藩より扶持米(給料)をもらい、藩の御用絵師が描いた絵図などを基に精巧な製品を作っていた。
特に三川内皿山では、将軍家や皇室(禁裏)、藩主への献上品・御用品を生産するために採算を度外視した高度な磁器の装飾技術が開発され、優れた磁器製品を生み出してきた。
このように精巧に作られる「三川内焼置上技術」は、三川内皿山が平戸藩の御用窯であったことを現在に伝える貴重な工芸技術である。
令和四年三月三十一日佐世保市教育委員会

